今年のフジロックは全日通しでものすごく行きたかったのだが、さらっと太平洋を超えて行けるわけがなく、せめて、と公式アプリをダウンロードしてタイムテーブルを組んで遊んでいたのだが、行けないのを分かっていてもやっぱり行きたかった。(もはや日本語が崩壊しておる)
ということで、悔し紛れにJuly 12th 2017のGorillazのボストン公演について書く。
事の発端は「フジロック行きたかったなぁ」という気持ちを抱えたまま、GorillazのDEMON DAYZ FESTIVALの中継をTwitterの#DOMMUNE #RedBullTVを追いかけながら見たことにある。その結果、「もう、どうしても今ライブに行かなきゃいけない!!」みたいな気持ちになってしまい、ツアー日程をチェックして、7月のボストン公演のチケットを買った。USツアーで回る都市にシカゴが入っているのは当たり前みたいなものかもしれないけど、ボストンに来てくれたのは本当にありがたかった。
会場はBlue Hills Bank Pavilion。当日は開演前に大雨に見舞われたのだが、屋根の下の席だったので特に問題なく、ビールを飲みつつ始まるのを待った。こういうところでは割り増しになっているのは承知、だけど一杯14ドルとは超強気。
オープニングアクト(という表現がこの場合正しいのか分からないけれども)はVince Staples。Ascension以外を初めて聞いたけど、彼は声も曲も良い。途中でKilo Kishが出てきて、軽やかに観客に手を振ったりしていて、非常に可愛かった。いやー、ふたりとも若い。(オーバー30ともなると年寄り目線) もちろん本編でも出てきてくれた。豪華すぎ。
持ち込み禁止だったはずのマリファナの香りが後ろの観客から濃厚に漂ってくる中で本編スタート。GorillazにおけるDamon Albarnの、電話越しに聞くぼそぼそした独り言みたいな声がとても好きなのだが、ライブ仕様のデーモンもえらくかっこよかった。
MCでの、自虐ネタからのSong2イントロによるいじりを経て、「This is a song about Boston」と言って披露されたRevolving Doorsは、当たり前だけど他の曲に比べたらざっくりした印象、なのにシンプルで美しい時間が流れたよう。ボストンにいて良かった…。本当に行ってよかった…。
The Non-Conformist OathからのSubmissionがライブでも聞きたかったのだけど、これは今回は聞けなくて、好きだったアーティストのツアーに昔は複数回行っていたのはそういうことだったなぁ、と思い出したりもした。今は、「その日に聴けたセットリストを特別なものとして大事に受け取っておくのも良いんじゃない?」なんて思うのだが、まあ歳取っただけかもしれない。
ということで、Boston公演のセットリスト
https://www.setlist.fm/setlist/gorillaz/2017/blue-hills-bank-pavilion-boston-ma-7be46ec8.html
*
ここからが今回の独り言。
大学の頃、一時期レンタルCD・ビデオ屋でアルバイトをしていた。店員は旧作を半額で借りることができたので、この時期にいわゆる「好きなアーティストのレコメンド」を頼りに洋楽や昔の邦楽にも手を出した。
Blurを知ったのもおそらくこの頃で、当然リアルタイムではフォローしていなかったが、Oasisとの諍いがあったという話には興味をそそられたし、Song2やMusic is my radderを耳にしてすっかり虜になって、イヤホン越しに何回も何回も繰り返し聴いた。
その少し後に、AppleのCMに曲が使われていたのがきっかけでGorillazを知った。いつくらいのことだったのだろうと思ってちょっと調べたら、当時わたしは20歳くらいだったみたいだ。
アルバムを初めて聴いた時のことを覚えている。かっこいいなーと思いつつも、「ごった煮感」を今ひとつ消化できなかった。白人バンドばかり追っていた私には、「どうしてこうなるんだろう?」という感覚があって、そして、何故かよく分からなかったけど、そう思ったことに対する後ろめたさみたいなものも同時に感じて混乱した。
今なら何故か分かる。そして、この薄ら居心地の悪い記憶こそ、このバンドがわたしにとって長いこと単純なお気に入りとも少し違う特別な位置づけにあった理由だったのだと思う。
DAMON DAYZ FESを中継で見ながら追っかけていた、音楽ライターたちによるツイートを、自分用も兼ねて貼っておく。
そして、観客見ていて感じたことはこれに尽きる。
みんな好き勝手に叫んだり踊っていたり、お気に入りの曲が流れると隣とハイタッチしていたり、そんな光景を目にすることも含めて本当に楽しかった。
*
しかし、本当にどうでも良いことだけど、若い頃のデーモンを見ているとなぜかスラムダンクの流川を思い出すわ…。