ひとやま超えた

日本にいた頃の仕事は実力以上に評価されてしまった、とずっと思っている。周りからもそう思われているだろう。

目の前に降りかかってきた課題を何とかしているうちに、PhDは取れた。けど、基本は根無し草のまま、「あなたは何ができますか」と聞かれたとして、「そこそこ何でもやりますけど、何の専門家ですかと聞かれると、何だか未だに良く分からないのです」というのが本音である。

同居人が真逆のタイプなので、特にそれを強く感じるのかもしれない。

先週の水曜、渡米してから二年分の仕事を外部の人もいる場でまとめて話す機会があった。乗り切ってみた感触は良かった。「実は自分は誠実にプレゼンできていないのではないか」と思っていたけれど、自分が満足するところまでブラッシュアップ出来れば、研究もプレゼンも、まだやっていけそうだ。

お家芸を受け継ぐ正統派でもなければ、スーパースターみたいな仕事の仕方もできないが、目の前の人の心を揺さぶる仕事がしたい。こんな見方があったのか、と、ぱっと視界が開けるような。発表の後に、思わず演者に話しかけたくなるような。

「Great work.」と言われる瞬間がやっぱり一番嬉しいのだ。

一息つく間もなく、先週末はゲストとNYへ。ひとやま越えたらもう10月…。次の記事ではカラッと、NY観光について書きます。