たまには楽しい休日の話。
土曜日はBrimfieldのアンティークショーへ連れて行ってもらった。Bostonから車で1時間ちょっとくらい。
とにかく楽しかった!見ていて全然飽きない。丸一日歩き回って、昼は会場の屋台でご飯、ボストンへ戻って夕飯ラーメン。おやつに食べたFaddy’s donutsのアップルサイダードーナッツはすごい砂糖だったけど、シナモンが効いていて、ふっかふかで温かくて美味しかった。買い求める人で行列ができていて、野外でもやっぱりみんなドーナッツ食べたいのねー、なんて思ったり。
さて、今回見かけたものたちの中で特に印象的だったのがデプレッショングラス。ミルキーなFire-Kingくらいしかアメリカのガラス製品を知らなかったのだが、連れて行ってくれた友人たちはデプレッショングラスのことをちゃんと認識していて、歴史的な背景を教えてくれた。およそ90年前、アメリカが恐慌だった時代に生産されたプレスグラスのことなのだそうだ。
色といい模様といい、一目惚れしてしまったので購入。5ピースセットで20ドル。世界恐慌時代を超えて、うちへようこそ。
ちなみに、この小さなカップ&ソーサーを見たKの「おっ、エスプレッソ用だね」という感想を、私は「へ?」という返事で迎え撃ってしまった。小さい!かわいい!という衝動のみで入手に踏み切ったから、使うことなんか全く考えていなかったわ…。
友人夫妻は、使うことをきちんと考えた組み合わせで購入していた。そ…、そうですよね!次に行く機会には、ちゃんとそういう買い方をしよう。カルパッチョとか乗せて食卓に出したい。生食用の魚の入手もハードル高いけど。
収集癖持ちの永遠の人生の課題(大げさな…)として実用と鑑賞用とのバランスの取り方があって、「素敵だけど、使わないものを買ってもなぁ」という考えは常に頭にある の だ が。今回、それゆえに買うことを決断できなかったものたちがいくつかあって、帰ってきてからそれを思い出して「あー」とか「うー」とかなったので、もう次からは割り切って堂々と収集活動もしよう。(え、そっち?という着地点)
こいつらも勿論、観賞用枠だな…。1ドルとか5ドルで買えてしまうのが素敵。小さな水差しとカップ&ソーサーはオールドノリタケっぽいなー、と思っていたのだが、裏印を見てググってみたら、こんなことがわかった。
ノリタケの裏印
https://www.old-noritake-antique.com/stamp.html
これは奥が深いし面白すぎる…。そして、ミミズクのカップ&ソーサーのほうにはTTの印。これは瀧藤商店のもので、ノリタケのおおもと・森村組から注文を受けていた陶器商のよう。森村組が欧米向けに陶器の輸出を始めた背景とか、モリムラブラザーズとかアツすぎる。
「日本から海外へ流出した金を貿易を通じて取り戻す」
http://tableware.noritake.co.jp/concept/history/01.html
やはり繊細な絵柄のほうが価値はあるそうなのだが、洗練されていないざっくりした絵のほうが可愛げがある気がして、わたしは割とそっちに惹かれる。オールドノリタケは偽物も出回っているそうだから、いつかバッタもんを掴むかも。
まあ、可愛いければ許す。(これは瀧藤印だけど)
欧米好みにしてみました、というどっちつかずな感じがとてもいい。
今回は自制心が働いて手を出さなかったのだが、クリーミーなオレンジ色とか青や紫がバキッと黒い線で仕切られて、オパールみたいなツヤっとしたのでコーティングされているやつがたまらなく好きなので、次回は躊躇なくそういうやつを買う。絶対買う。
母方の曾祖父は掛け軸とか集めまくっていたそうだし、母も確実に収集癖持ちだし、こういうのも遺伝で決まるのだろうか。「骨董はねぇ…。ハマるとヤバいよ。」と母から忠告されていたのだが、まあ、いっか。
ちなみにこっちはKが購入したマグカップと、別の機会にヨーロッパに行った際に彼が買ったりもらったりした小物たち。不思議な統一感…。大量の物の中から何か選ぶ時って、趣味が強く出るのか。
*
日曜は義父母と久々に電話。義父もかなりの収集癖持ちである。
「お母さんが、コレクションを『有事の際には全部捨てる』って言っているから、その前に価値のわかる人に託したい…っ!」という悲痛な訴えを電話越しに聞いた。
「だって買っても組み立てないんですよ?」というのが義母の言い分。ああこれすっごく身に覚えがあるわ…。
「今日はですね、完成したら60cmになるやつか、100cmくらいになるプラモデルを買いに行きます。どっちにしようか、まだ迷っています。」と義父はルンルン気味に言っていたので、電話の後に外出したものと思われる。60cmか100cmというと、ええと、大きめのサバか小さめのキハダマグロくらいの大きさですかね。
「たくさんお金があったら、親に素敵な家を建てて『好きに使え』って言ってみたいよね…」と、Kと話していたのを思い出した。